虫歯の治療で、無痛治療をするために有用な器具にスプーンエキスカというものがあります。
歯科では、虫歯を削るために、タービンとって「キュイーン!」と音がする器具を使うことがあるのをよくご存じのことと思います。
このタービンという器具を使うと、治療を短時間で終わらせることができますが、この独特の音や、切削時の痛みや歯への損傷(切削時に歯に入る細かなヒビなど)を考えるとあまり積極的に使うべきではないと考えています。
局所麻酔を行えば、タービンを用いて虫歯を取っても痛みを感じさせることはないですが、局所麻酔はご存知のとおり注射です。
私は、注射の針の刺入時の痛みや、薬を注入するときの痛みを極力少なくするために日頃から工夫をしておりますが、やはり無痛での注射麻酔は私もとても神経を使います。お子さんの患者さんに針を見せないようにしたり、「注射」というフレーズを使わないようにしたりしないと、なかなか患者さんは治療に対して前向きになってはくれません。
スプーンエキスカという器具は、その名の通り、すごく小さなスプーン上の器具です。
この器具を用いて虫歯を切削することが可能であり、多くの場合、局所麻酔を行わなくても虫歯の治療をすることができます。
特に、お子さんの乳歯の虫歯の治療によく用いていますが、お子さんが治療の最中に寝てしまうことすらあります。
耳かきをされながら寝てしまうような感覚でしょうか。
お子さんが恐怖を感じたり、泣いて暴れてしまったりすることがなく治療が完了するため、患者さんのみならず、治療をしている私も非常に安心して治療を行うことができます。